我が国における地震の原因は大部分が活断層であり,特に,第四紀の末固結被覆層上に重要な構造物(発電所など)を立地,計画する際にその断層の安定性評価が必要となっている。既に,筆者らは,地震時に生じる断層の挙動を再現するために,乾燥砂による粒子径レベルの影響(Size Effect)を重要視した重力場(1g)の模型実験を行い,せん断層が地盤の変形構造の中で最も重要であることが確認された。しかし,その実験装置では砂の挙動を箱型装置前面でのガラス板を通して観察しているため,砂の移動が真の2次元状態と異なる可能性があることなどの欠点が指摘されている。そこで,本論文では,直径1.6mmと3.0mm,長さ50mmのアルミ棒を用いた実験を提案し,模型地盤の間隙比一定で混合重量比および層厚を変化させた時の影響について検討した。その結果,混合重量比(1.6mm:3mm)=(3:0.5〜3:2)で層厚の変化によらず,せん断層群の性状が3次元(砂層)粒子形状モデルと類似した傾向を示した。