本研究では,男子高専生の低学年における無酸素パワーの発達について調査を行った。被験者は1学年から3学年までの各40名であり,全力自転車ペダリング運動により脚最大無酸素パワーを求めた。結果は以下のようにまとめられる。1.MAnPの平均値は1年生から2年生,3年生にかけて増大したが,経年的な変化ではなかった。また,1年生と2年生,2年生と3年生の間に有意な差がみられた。MAnPの平均値は,1,2,3年生でそれぞれ646.7,741.3,685.8Wであった。2.MAnP/BWでは1年生と2年生,1年生と3年生の間でそれぞれ1%水準,5%水準で有意な差がみられた。MAnP/BWの平均値は,それぞれ10.99,11.81,11.62W/kgであった。これらの結果から,高専生における無酸素パワーを他の研究報告と比較すると,相対的な値は,各学年ともに一般高校生と同様の範疇にあり,高校年齢期としては標準的な体力を有していると評価された。
抄録全体を表示