抄録
河川や水路において弯曲したところでは、流れの遷移現象により浸食および堆積が生じ、河岸、河床に多大な影響を及ぼす。本研究は河川をmodel化した曲線開水路を使用し、水路弯曲部にDeflectorを挿入することにより流線の方向変化、およびenergyの分散効果により水路弯曲による流れの影響を緩和することを目的にしている。水路弯曲による流線の方向変化は、Deflectorを通過する流線の巻込みによる渦列の生成に大きな要因があると考えられる。紀要第29号では、幅を広げたDeflectorによる流れの乱れを軽減するため、穴を開けたDeflectorについて実験を行い、Deflector中央部に高さの1/2の穴を開けることにより後方の流れの乱れをおさえ、有効に作用することが判明した。しかし、流量が増加するとDeflector挿入による効果が小さくなるため、Deflectorをdoubleにすることにより大きな効果が得られることを期待して実験を行った。