大阪府立公衆衛生研究所 研究報告
Online ISSN : 2185-4076
ISSN-L : 1343-2923
大阪府におけるウエストナイルウイルスに対するサーベイランス調査(2013年度)
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2014 年 52 巻 p. 1-6

詳細
抄録

大阪府ではウエストナイルウイルス(WNV)の侵入を監視する目的で、2003年度より媒介蚊のサーベイランス事業を実施している。また、死亡原因の不明なカラス死骸が2頭以上同一地点で見られた場合、それについてもWNVに対する検査を実施している。 2013年度は6月末から10月初めにかけて府内20カ所で蚊の捕集を行い、得られた雌の蚊についてWNV遺伝子の検出を試みた。捕集された蚊は8種5702匹で、そのうちアカイエカ群(45.1%)とヒトスジシマカ(48.8%)が大部分を占め、次いでコガタアカイエカ(5.8%)が多く採集された。その他にはシナハマダラカ、トウゴウヤブカ、キンパラナガハシカ、ヤマトヤブカ、オオクロヤブカが捕集された。定点別、種類別に384プールの蚊についてWNVの遺伝子検査を実施したが、すべての検体においてWNVは検出されなかった。また、2013年度中に当所へ搬入された死亡カラス12頭の脳についてWNVの遺伝子検査を行ったが、WNVは検出されなかった。

© 2014 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所
次の記事
feedback
Top