大阪府立公衆衛生研究所 研究報告
Online ISSN : 2185-4076
ISSN-L : 1343-2923
大阪府における蚊媒介性ウイルス感染症に対するサーベイランス調査(2015年度)
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2016 年 54 巻 p. 1-8

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抄録

大阪府では蚊媒介性ウイルス感染症、特にウエストナイルウイルス(WNV)の侵入を監視する目的で、2003 年度より媒介蚊と死亡カラスについてサーベイランス事業を実施している。 2015 年度は 6 月末から 9 月末にかけて府内 24 カ所で蚊の捕集を行い、得られた雌の蚊について WNV遺伝子の検出を試みた。捕集された蚊は 9 種 4718 匹で、そのうちヒトスジシマカ(59.8%)とアカイエカ群(37.9%)が大部分を占め、他にコガタアカイエカなど 7 種類が捕集された。定点別及び種類別の蚊 393 プールについて WNV 遺伝子検査を実施したが、すべての検体において WNV は検出されなかった。さらに、ヒトスジシマカ 170 プールについて、デングウイルスとチクングニアウイルス遺伝子検査を実施したが、いずれも陰性であった。また、死亡カラス 6 羽の脳を対象に WNV 遺伝子検査を行ったが、WNV は検出されなかった。

© 2016 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所
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