抄録
総人口の1/4以上が65歳以上の日本では, 高齢者の一人暮らしも多い. 高齢者も安心して暮らせる安全・安心な社会の実現は, 日本の喫緊の課題である. 65歳以上の高齢者の事故発生場所は, 住宅が最も多いことが知られている. 家庭内での見守りは, 生活空間での見守りであり, 特にプライバシーの保護が重要である. そのため, カメラなどの導入は好ましくない. プライバシーを保護しつつ家庭内での見守りを実現する技術として, 近年, 電波による見守り技術が注目されている. 電波による見守り技術は, 電波センサとも呼ばれている. 電波センサは, 人の存在や人の行動による電波伝搬の変動に基づき人の存在や人の行動を検出する. 電波センサは, カメラのような映像によるプライバシー侵害の心配がないため, 家庭への導入が期待されており, これまでに種々の電波センサが報告されている. 本稿では, 代表的な電波センサの幾つかを紹介する.