電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン
Online ISSN : 2186-0661
ISSN-L : 1881-9567
解説論文
Webの新潮流
—Web 2.0とネットワーク関連技術動向—
阪田 史郎
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2007 年 2007 巻 1 号 p. 1_50-1_66

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抄録

2005年よりWeb 2.0なる用語が急速かつ盛んに使われるようになっている.Web 2.0は,2005年に米国のTimO'Reillyが名づけ定義付けした新しい概念あるいはパラダイムであるが,インターネットのサービスやビジネスに大きなインパクトを与えつつある.本論文では,まずWeb 2.0の特徴や従来のWeb 1.0との相違などWeb 2.0の最新動向について,Web 2.0を支える技術を含めて,Web 2.0をベースとする新しいサービスやビジネスの詳細を述べる.次に,Web 2.0を基点とする将来のネットワークの研究課題の抽出やWeb 2.0の展望を行うことを目的として,Web 2.0と密接に関係する複雑ネットワークとユビキタスネットワークの動向について述べる.Webの成長モデルやコミュニティネットワークと一致する性質をもつ複雑ネットワークの構造を解析することは,Web 2.0の新しいビジネスモデル創出にも示唆を与え得る.ユビキタスネットワークは,プラットフォーム非依存やP2Pネットワーキング,コンテクスト・アウェアネスなどの面でWeb 2.0と共通性をもち,Web 2.0の将来の適用の場としても重要となる.

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© 2007 一般社団法人 電子情報通信学会
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