2017 年 2017 巻 1 号 p. 72-73
8年間代表を勤められたリハ医学の木村哲彦会長から、順天堂大学加齢制御医学講座白澤卓二教授へ会長交代あり、表題は象徴的でした。また、リハ医学は施設基準・配置基準による診療報酬システムを多年用いてきました。これは医学に求められる治癒を基準にしない考え方で、違和感を覚える医師も少なくありませんでした。今般、これらの基準に加え、「回復度基準を用いる」との中央医療審議会の動きもあります。
第13回大会はリハビリテーション(リハ)医学が更に21世紀型の学問に発展する為に、アンチエイジング医学(加齢に対抗していくのではなく、加齢を制御して適応していく)の視点を取り入れようという試みでした。加齢制御医学では、「元気老人を元気のままで」を実現するべく努力してきましたが、加齢や骨折後の機能低下から廃用にいたる事や、認知症の発現を阻止することは困難でした。その融合に資するものにすることを意図して本大会を開催します。
今回特記すべき講演は公開市民講座の2題があげられます。大島課長からの講演からも今後の社会保障費の増額が認識できる中で、川合会長の講演と同じ介護を継続する事が可能だろうか、の危惧から議論になりました。現在の社会福祉体制の維持ができず、介護放棄体験が日本社会のトラウマになるのではないか、という危惧です。
学会はこれを可能にするよう努力を続け、超高齢社会において人々が誇りを持って体験を次世代に伝えられる社会構築を目指しています。新たな研究者・実施者の参加を期待しています。