Biomedical Research on Trace Elements
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総説
微量金属元素のホメオスタシス崩壊が導く神経細胞死の誘導機構解明
田中 健一郎
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2021 年 32 巻 1 号 論文ID: 320103

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抄録
亜鉛(Zn)、銅(Cu)などの微量金属は、生体内に存在し、正常な生命機能を維持するために重要な役割を果たしている。一方、微量金属のホメオスタシスが崩壊すると、脳神経系、消化器系、呼吸器系などに異常をきたし、種々の疾患の発症原因となる。特に、脳神経系におけるZnの役割は注目されており、定常状態においてシナプス小胞内に蓄積しているZnが神経興奮時にシナプス間隙に放出された結果、神経細胞死が誘導され、アルツハイマー病などの神経疾患の発症に寄与することが報告されている。これまでに我々は Cu が Zn依存の神経細胞死を促進することを見出し、その神経細胞死の誘導機構や抑制因子を解析したので、本総説では我々の研究内容を概説する。
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