Biomedical Research on Trace Elements
Online ISSN : 1880-1404
Print ISSN : 0916-717X
ISSN-L : 0916-717X
最新号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
総説
  • 三原 久明
    原稿種別: 総説(2020 年日本微量元素学会研究学術賞「浜 理薬品賞」受賞講演の内容に基づく)
    2024 年 35 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/25
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    必須微量元素セレンは主にセレンタンパク質中のセレノシステイン(Sec)残基として重要な生理作用を担う。Secの形成はセレノリン酸に依存し、この化合物は、セレノリン酸合成酵素(SPS)によって、ATP、セレニド、水を基質として合成される。微量セレン化合物が、多量に存在する硫黄化合物による競合を免れて特異的に代謝されるためには、厳密な酵素反応制御が重要であると考えられ、セレニドと結合して生理的なセレン基質をSPSに直接提供するセレン供給タンパク質の存在が指摘されてきた。そこで、動物において、L-Sec特異的に作用してセレンを脱離させるセレノシステインリアーゼの詳細な解析を行い、活性中心Cys残基によるセレン転移反応を明らかにした。また、細菌においてはチオレドキシンがセレンタンパク質生合成における亜セレン酸還元に重要であることを示した。

feedback
Top