2023 年 12 巻 12 号 p. 310-315
コケ植物は植物の中でも特徴的な生態や外見を持ち合わせており,絵画や彫刻,あるいはインスタレーション作品においても主たるモチーフになり得る植物であると筆者は考える.種による形態や色彩の差はもちろん,同種でも視点を変えるたびに異なる側面をあらわす植物であり,マクロ・ミクロの両視点において違った魅力や印象を与えるため,表現に落とし込む際に作品や作家ごとに多様性が生まれるであろう.今後も美術作品におけるコケ植物の扱い方について考察を深めていきたい.