地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
論文
鉱化花崗岩特性(I): 西南日本内帯のモリブデンとタングステン鉱床生成区
石 原 舜 三
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 53 巻 9-10 号 p. 657-672

詳細
抄録
花崗岩類の化学的性質と関連鉱床との成因的関係を追及する目的で,Mo鉱床生成区と Sn-W鉱床生成区,さらに不毛区から採取した47試料にていて偏光蛍光エックス線解析法で分析した。Mo鉱床生成区の花崗岩類はAl2O3,アルミナ飽和指数(ASI),Ga ,K2O,Rbで最も低い。苦鉄質成分ではV,Cr,Zn,Coは鉄の2価,3価の規制を受けて,その含有量が変化する.微量成分としてのMoはMo鉱床生成区で高く,不毛区で最低である。従って,これは同鉱床探査の岩石地化学探査の指示元素として使いうる.WはSn-W 鉱床生成区で高く,以外にもMo鉱床生成区でも高い。微量のW, Snは,Sn-W鉱床生成区における鉱床探査指示元素として使いうる. 今回の分析試料は1969年代に湿式分析(ロ-レン・スミス法)したものであり,そのため両分析方法による比較を試みた。相関係数が低いものは,MnO (0.83), P2O5(0.85),Al2O3(0.87), Na2O(0.88)で認められた.両分析法の一致線からの隔たりが大きいものは,P2O5(0.79), MnO(0.83),K2O(1.15) であり,湿式分析法のカリウムが低くでる.一方,CaO とSiO2 さらには原子吸光法による微量Snについては,良い一致性を示した.
著者関連情報
© 2002 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
前の記事 次の記事
feedback
Top