地質調査研究報告
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鉱化花崗岩特性(II): 兵庫県中西部地域の多金属鉱化域
石 原 舜 三
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2002 年 53 巻 9-10 号 p. 673-688

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抄録
兵庫県中西部地域の白亜紀後期の火山深成岩帯には,小規模な銅・鉄・砒素鉱床が知られている.関連する花崗岩類は小規模に露出し,鉱化能力を持つ産状を示す.花崗岩類38個について主成分14,微量成分31について偏光蛍光X線分析し,花崗岩類の鉱化能力について評価した. 花崗岩類は磁鉄鉱系(八頭-神崎花崗岩類,引原花崗岩)とチタン鉄鉱系(用瀬花崗岩,和田山花崗岩)に分けられる.Cu, Fe, Asなどの鉱床を伴う磁鉄鉱系花崗岩類は帯磁率測定から,特に値が高い磁鉄鉱を多く含む花崗岩類に関係している.岩石化学的性質は磁鉄鉱系とチタン鉄鉱系で異なる性質を示し,磁鉄鉱系では鉱化花崗岩がCuでやや高い傾向がある.CuS鉱物は花崗岩マグマで安定相を作るために花崗岩中の銅含有量は銅鉱化能力を指示する可能性があるが,当地域の含有量(平均4 ppm)はチリ(同62 ppm)や北上山地(同37 ppm)と比べて極めて低く, 銅鉱化能力の適格性が高いとは言えない.Pb-Zn鉱化に関しても,その低い珪長質度とアルミナ飽和度から不適格な花崗岩類と言える.
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© 2002 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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