地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
論文
栃木県烏山地域に分布する中新統荒川層群上部の珪藻化石 ―その2.古水深変化―
柳沢 幸夫
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 54 巻 1-2 号 p. 15-27

詳細
抄録

珪藻化石データの定量的解析と,底生有孔虫および貝類化石を補助的に用いて,栃木県東部の烏山地域に分布する中新統荒川層群上部(大金層上部,田野倉層および入江野層)の堆積深度変化を復元した.荒川層群上部では,下位より堆積深度が外部浅海帯→上部漸深海帯→中部漸深海帯→上部漸深海帯→外部浅海帯と変化し,1つの堆積サイクルをなす.最も深くなった中部漸深海帯では,一次的にさらに深度が深くなる層準が,3層準挟まれており,このうち,田野倉層最下部にあるものが最も深度が深く,荒川層群上部のサイクル全体の最大海氾濫面である.

著者関連情報
© 2003 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
前の記事 次の記事
feedback
Top