地質調査研究報告
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54 巻 , 1-2 号
地質調査研究報告
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論文
  • 柳沢 幸夫
    2003 年 54 巻 1-2 号 p. 1-13
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    栃木県東部の烏山地域に分布する中新統荒川層群上部の珪藻化石層序について検討した.大金層上部のOg45から田野倉層の上限までは,Yanagisawa and Akiba (1998)のThalassiosira yabei帯(NPD 5C)の上部に,入江野層はDenticulopsis dimorpha帯(NPD 5D)に対比される.同じ区間の放散虫および石灰質ナンノ化石層序と放射年代を総合すると,今回珪藻が産出した荒川層群上部の年代は,約10.5-9.2 Maと推定される.
  • 柳沢 幸夫
    2003 年 54 巻 1-2 号 p. 15-27
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    珪藻化石データの定量的解析と,底生有孔虫および貝類化石を補助的に用いて,栃木県東部の烏山地域に分布する中新統荒川層群上部(大金層上部,田野倉層および入江野層)の堆積深度変化を復元した.荒川層群上部では,下位より堆積深度が外部浅海帯→上部漸深海帯→中部漸深海帯→上部漸深海帯→外部浅海帯と変化し,1つの堆積サイクルをなす.最も深くなった中部漸深海帯では,一次的にさらに深度が深くなる層準が,3層準挟まれており,このうち,田野倉層最下部にあるものが最も深度が深く,荒川層群上部のサイクル全体の最大海氾濫面である.
  • 柳沢 幸夫, 山口 龍彦, 林 広樹, 高橋 雅紀
    2003 年 54 巻 1-2 号 p. 29-47
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    福島県南部の東棚倉地域に分布する海成の上部中新統の久保田層から,生痕化石Rosseliaの試料を採取して珪藻分析を行い,計数可能な数の珪藻化石を検出した.これにより 従来曖昧であった後期中新世における珪藻化石層序と放散虫・石灰質ナンノ化石・浮遊性有孔虫層序との直接的な対応関係を明らかにできた.久保田層中部の凝灰岩鍵層Kt-1の直上からKt-4BとKt-4Cの中間までの区間と,久保田層上部の基底部は,Yanagisawa and Akiba (1998)のThalassiosira yabei帯(NPD 5C)の上部に相当する. 久保田層における珪藻化石層序と放散虫・石灰質ナンノ化石・浮遊性有孔虫層序との対応関係は,斎藤 (1999) の標準微化石年代尺度とほぼ一致するが,一部問題も残されており今後の検討を必要とする.久保田層中部は,全体としては外部浅海帯の環境にあったものの,3回の相対的海水準の変動があり,3層準に海氾濫面が認められる.このうち凝灰岩鍵層Kt-3の直上にある最初の海氾濫面が最大のものであり,この層準で外洋性珪藻が多産して珪藻深度指標が最大値を示す.久保田層で認められた古水深(相対的海水準)の変化のイベントは,生層序によって栃木県烏山地域の荒川層群上部に対比できる.相対的海水準の変化は,両地域でほぼ同期している.このことは,この相対的海水準の変化がローカルなものではなく,より広域のイベントであり,グローバルな静海水準変動に支配されている可能性もあることを示唆する.
  • 柳沢 幸夫, 林 広樹
    2003 年 54 巻 1-2 号 p. 49-61
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    岩手県一関地域に分布する中部中新統下黒沢層と上黒沢層の珪藻化石層序の詳細,および各種微化石層序の生層準との対応関係を記載した.下黒沢層はDenticulopsis hyalina帯のDenticulopsis simonsenii亜帯(NPD 4Bb)に,上黒沢層は,Crucidenticula nicobarica帯(NPD 5A),Denticulopsis praedimorpha帯(NPD 5B)およびThalassiosira yabei帯(NPD 5C)の最下部にあたる.D. praedimorpha帯最下部にあるCrucidenticula nicobaricaの一時的減少は,生層準として生層序学的有用である可能性がある.仙台市南西部地域との対比では,少なくとも8つの生層準が使用可能であるが,石灰質ナンノ化石のCyclicargolithus floridanusの終産出には異時性が認められる.
  • 柳沢 幸夫, 天野 和孝
    2003 年 54 巻 1-2 号 p. 63-93
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    上越地域西部の鮮新統の珪藻化石層序を検討した.Yanagisawa and Akiba (1998)の北太平洋珪藻化石帯区分を適用すれば,川詰層はNPD 7Bb帯に,名立層はNPD 7B-NPD 9帯に,そして谷浜層はNPD 9帯に相当する.また谷浜層上部は低緯度珪藻化石帯区分(Barron, 1985)のNTD 15Cに含まれる.認定された珪藻化石帯の年代と火山灰層の年代から,川詰層は前期鮮新世末期から後期鮮新世初頭(3.9-3.6 Maから3.2 Ma前後),名立層は後期鮮新世の前期(3.2-2.4 Ma),谷浜層は後期鮮新世の後期 (2.4 Maから2.1-2.0 Ma)の堆積物であると推定できる.また,寒暖両流系の外洋性浮遊珪藻の層序学的分布と浮遊性有孔虫および軟体動物群から,本地域は川詰層堆積期 (3.9-3.6~3.2 Ma)と名立層上部から谷浜層最下部堆積期 (2.7~2.4Ma)には,寒流域に置かれ,暖流はほとんど流入していなかったと推定される.一方,名立層下部堆積期 (3.2~2.7 Ma)と谷浜層主部堆積期(2.7~2.0 Ma)には,本地域は前線帯(混合水域)に置かれ,暖流が流入していたと推定できる.
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