2009 年 59 巻 11-12 号 p. 497-508
東京低地北部と中川低地における7,021本のボーリング柱状図資料から沖積層の基底面を認定し,ボーリング柱状図資料の位置情報と積層の基底面深度からなる数値情報を構築した.そしてこの数値情報をもとに,逆距離加重法による平面補間を行い,沖積層の基底面深度分布図を作成した.沖積層基底面深度分布は,沖積層の基底礫層が分布する地域については,その上面深度を採用している.この沖積層基底面深度分布図は,中川,元荒川,綾瀬川,荒川,古東京川沿いの開析谷や埋没段丘面・波食棚などの沖積層基盤地形の詳細をあらわす.また,本図と東京低地北部と中川低地における地盤高との対比から,沖積層の層厚と地盤高には明瞭な関係があることが明らかになった.沖積層の層厚が40 m以上の地域では地盤高は標高2 m以下,沖積層の層厚が25 m以下の地域では地盤高は標高2 m以上を示す.