地質調査研究報告
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火山列島,北硫黄島火山の地質概要
中野 俊古川 竜太
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2009 年 60 巻 7-8 号 p. 395-405

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抄録

 東西約2.1 km,南北約3.3 km,標高792 m を有する北硫黄島は伊豆・小笠原弧,火山(硫黄)列島最北端の火山島である.不整合関係をもとに古期火山及び新期火山に区分されるが,岩質・岩相に大きな変化はなく,いずれも玄武岩質の溶岩・火砕岩が累重する成層火山体で,山体の浸食が著しい.海食崖では,多くは厚さ2 m以内の多数の放射状岩脈が貫き,167本を数える.玄武岩はSiO2=47.3-51.2 wt.% であるが,そのほか安山岩質の岩脈(SiO2=58.6 wt.%)も認められた.化学組成上いずれもlow-Kないしmedium-K系列に属する.

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© 2009 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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