2012 年 63 巻 3-4 号 p. 93-105
数ヶ月程度のタイムスケールでの歪計の測定の特性を調べるために,産総研のボアホール歪計観測点7点における,水平面内の3方向の線歪の観測値と,歪計観測点を取り囲む周囲の国土地理院のGPS連続観測点から計算された値との比較を行った.多くの観測点で,数ヶ月程度の変動として季節変動的な成分が,歪計とGPS共に認められた.しかしながら,両者の間には必ずしも整合的な対応が見られなかった.その原因として,歪計に含まれる,単純なモデリングでは除去できないドリフト等,観測点固有の起源が考えられる.