放送研究と調査
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
これからの “放送”はどこに向かうのか?Vol.2
規制改革推進会議の議論を経て <2018年2月~7月>
村上 圭子
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2018 年 68 巻 10 号 p. 2-29

詳細
抄録
2018年に入ってからの約半年は、様々な舞台で放送の未来像に関する議論が行われた。まず「規制改革推進会議」では2017年秋から放送用帯域の有効利用をテーマにした議論が続けられていた。そして2018年1月末からは、総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」で議論が開始。3月15日には、安倍政権内で「放送制度改革方針案(以下、政権改革案)」が作成されていることが報じられた。その内容は、放送という制度を事実上なくし、ネット動画配信サービス等と民放テレビ局を同列に扱うというものだったため、在京キー局や民放連は一斉に反発、新聞や雑誌でも大々的に報じられる“騒動”となった。この報道後、安倍総理の諮問機関である推進会議では、コンテンツ戦略や事業者支援等にも論点を広げた議論が行われ、第3次答申が公表されたが、そこには政権改革案として報じられた内容の多くが盛り込まれることはなかった。一連の推進会議の議論や政権改革案“騒動”の終息に、放送事業者の間にはどこか安堵の空気が漂っている。しかしメディアの多様化や、それに伴う視聴や接触の分散化の勢いが止まらない中、放送事業者は社会に求められる未来像をどこまで描けるのか、真価が問われるのはまさにこれからである。本稿では、2018年上半期の放送の未来像を巡る議論や“騒動”を時系列で振り返り、放送の未来像を考える上で筆者が重要だと考えるキーワードを6つ提示し、その関係性も含めて論じていく。
著者関連情報
© 2018 NHK放送文化研究所
次の記事
feedback
Top