放送研究と調査
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パラリンピック・ストーリー ~東京2020大会に向けて~【第3回】障害があること、それは個性だ
アンディー・スティーブンソン氏(イギリス 番組制作会社 Whisper プロデューサー
渡辺 誓司
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2019 年 69 巻 11 号 p. 96-101

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抄録
イギリスの番組制作会社Whisperのプロデューサーのアンディー・スティーブンソン氏は、2018年のピョンチャンパラリンピックに続き、イギリスで放送される東京2020大会の番組制作を担当する。これまでにパラリンピック放送の出演者、制作者の経験があり、テレビとラジオでマルチな才能を発揮してきた。生まれつき両腕と左足に障害があるが、「障害は個性である」と語る。 パラリンピック放送のポイントとして、スティーブンソン氏は次の3点を挙げた。まず、視聴者をパラリンピアンの優れたパフォーマンスに注目させるには、障害と向き合ってきた彼らのバックストーリーを併せて紹介し、共感を生む必要があると言う。次に、番組制作者は障害者アスリートの声に耳を傾け、彼らを理解することが新たなパラリンピック放送へのきっかけになるとする。そして、2016年のリオパラリンピックの時に、イギリスのテレビ業界には障害者の制作スタッフを育成、登用する制度が生まれたが、障害者が主役となるパラリンピックでは、番組制作チームに障害者のスタッフが入り、彼らの視点が加わることの大切さを指摘する。 東京2020大会でスティーブンソン氏は、子どもを対象にしたパラリンピック関連番組の制作を考えている。番組が子どもが障害者を見る初めての機会になるかもしれず、障害者に対して子どもは大人のような先入観を持っていないからである。次の時代を見据えると子ども向けのパラリンピック番組の制作は重要であると述べた。
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© 2019 NHK放送文化研究所
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