抄録
10月末、韓国ソウルでPBI(国際公共放送会議)が開催された。PBIは世界の公共放送が一堂に会し、現在抱えている課題に向き合い、将来を展望する年一回の会議である。今年のテーマは「メディアの次のビッグバン」であった。放送と通信が融合しメディア環境が激変し、アメリカ発のメディア企業が巨額の資金を使って世界での影響力、支配力を強めている。ヨーロッパの公共放送にとっては、存続にかかわる事態だという危機意識が高まっている。BBCのトニー・ホール会長は、このところのスピーチで、アメリカ発の巨大メディアとの競争や、公共放送の財源確保の課題など、公共放送の置かれた厳しい環境に危機意識を繰り返し述べている。PBIの基調講演では、ホール会長は、信用されるニュース情報源として、各国の文化を守る砦として、分断される視聴者をつなぐ役割としての公共放送の重要性を改めて確認するように述べた。そして公共放送の将来に悲観的な声がある中で、世界の公共放送で力をあわせれば乗り越えられると訴えた。