NHKの学校教育向けサービスのポータルサイト「NHK for School」は、1996年に前身の「学校放送オンライン」が公開されて以来、年々利用者を増やしながら25年の節目を迎えた。 2018年度の「小学校教師のメディア利用と意識に関する調査」では、8割以上の教師がウェブサイト「NHK for School」を認知、7割に授業での利用経験があった。コロナ禍の休校時には、文部科学省の「子供の学び応援サイト」での推奨もあり、多くの家庭からもアクセスを集めた。 ネット展開の歴史を振り返ると、利用者が増えてきた背景には、放送番組を単にネットに置き換えるのではなく、研究者と学習に必要なメディアの要素の再検討を進めて骨格をつくり、利用者のニーズを把握・反映させながら随時改良を加えてきたことがみえてきた。 児童・生徒の1人1台端末が実現しつつあり、「個別最適な学び」と「協働的な学び」が求められる中、学校放送番組のネット展開の歴史を振り返ることで、今後の公共メディアにおける教育サービスのあり方を考える。