インターネット上での音声メディアの利用者の増加に対し、世界の放送局はAIアシスタント(人工知能による音声アシスタント)を搭載したスマートスピーカーを通じて、利用者への浸透を図る戦略を立てつつある。ネットでの音声メディアの利用は、当初はPC、次いでスマートフォンなどの携帯端末だったが、amazonやGoogleなどの巨大IT企業がスマートスピーカーを開発し、利用が進んでいる。放送局もスマートスピーカーを意識したコンテンツに取り組んでおり、全米公共ラジオ局NPRのほか、イギリスの公共放送BBCでもスマートスピーカー向けのコンテンツを展開している。また日本国内では、スマートスピーカーもターゲットとしたキャンペーンが始まっている。本稿ではさらに、SpotifyやAmazon Musicといたコンテンツ提供事業者も取り上げながら、音声メディアの現状と将来の可能性を概観した。