放送研究と調査
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コロナ禍は暮らしや意識をどう変えたのか
~「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査(第2 回)」の結果から~
小林 利行村田 ひろ子
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2022 年 72 巻 7 号 p. 52-87

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抄録
NHK放送文化研究所では、コロナ禍が始まった2020年に続いて、2021年も2回目の「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査」を実施したので結果を報告する。今回は、影響が長期化するなかで、誰にしわ寄せが及んでいるかに着目して分析を行った。 感染拡大が『不安だ』という人は前回よりもやや減ったものの約9割を占め、不安を感じている人は男性よりも女性で多い。また、「収入が減って生活が苦しい」という人は全体では15%にとどまるが、自営業者では39%、非正規雇用の男性では24%などと特定の職業や雇用形態で多い。 ストレスが『増えた』人は約7割で前回と変わらないが、男性よりも女性で多く、また、中学生以下の子どもがいる人で多い。 医療に関しては、「医療崩壊」の不安を感じている人や自分が感染した時に適切な治療が受けられるかどうか不安に思っている人が8割以上を占め、日本の医療体制の脆弱さが浮き彫りになった。 コロナ禍を契機にオンライン会議などの新しい働き方が広がり、社会のオンライン化が進められているが、オンライン会議やテレワークを『したことがある』という人は、非正規雇用よりも正規雇用で多く、また、経営者や事務職などの特定の職業で多い。オンライン化が進むことが『望ましい』と思う分野では、「行政手続き」が7割に上るのに対し、「学校の授業」は3割未満と少ない。
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© 2022 NHK放送文化研究所
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