放送研究と調査
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スマートフォンやテレビからみるメディア利用行動の今
~「メディア利用の生活時間調査2021」から~
平田 明裕伊藤 文舟越 雅
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2022 年 72 巻 7 号 p. 88-111

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抄録
2021年10月に実施した「メディア利用の生活時間調査」の結果から、テレビ画面、スマートフォン、PC・タブレットの3種類のデバイスに焦点を当て、利用の現状について報告する。 この調査では、デバイスごとに動画視聴やSNS利用などの行動を時間という尺度で把握することが可能である。利用時間量をみると、テレビ画面:3時間23分、スマートフォン:1時間18分、PC:34分と、テレビ画面が最も長い。テレビ画面は年層が上がるほど利用時間が長くなるのに対し、スマートフォンは20代で3時間を超えるなど、若年層で長時間利用されていて、デバイスの利用は年層によって傾向が異なっていた。 テレビ画面での5つの行動のうち「リアルタイム」視聴は、全体で2時間54分に達するが、男性20代では28分にとどまる。男性20代では「ゲーム」や「動画」など「リアルタイム」以外の時間量の合計は46分に達し、若年層ではテレビ画面を「リアルタイム」以外の用途に利用している傾向がみられた。 スマートフォンでは、「動画」「ゲーム」「メール」などの8つの行動のうち、最もよく利用されているのは「SNS」だった。「SNS」は「専念」利用に比べて、ほかの行動をしながらの「ながら」利用が多く、メディア利用行動との組み合わせではテレビの「リアルタイム」視聴の行為者率が最も高かった。特に女性20・30代では夜間帯で行われていることなどが確認できた。
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© 2022 NHK放送文化研究所
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