抄録
NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループISSPが実施した調査「デジタル社会」の日本の結果から、インターネット利用や誤情報への対応、デジタル化や人工知能(AI)に対する期待と不安について報告する。
インターネット利用者は8割にのぼるが、まったく利用しない人も15%いた。このうち4割超が、ネットを使わざるを得ない場面で頼れる人がいないと回答し、デジタル化の波から取り残されている人々の存在が浮かび上がった。 ソーシャルメディアの政治ニュースを『信頼できる』人が全体で3割にとどまる一方で、30代以下ではおよそ半数に達した。また、真偽不明の情報があふれる中、ネット上の情報を見ていったんは信じたものの、のちにそれが誤情報だとわかった経験が「ある」人は半数近くだった。「ある」は若い人ほど多く、20代以下では8割近くにのぼる。
AIを搭載したロボットや生成AIが急速に日常生活に浸透する中、「AIが人間の生活にプラスになることが多い」と回答した人は6割近くとなった。また、AIに期待する分野を複数回答で尋ねたところ、「防災」が6割で最も多く、「介護」や「医療」がそれぞれ半数程度を占めた。一方で、機械やAIが人間の仕事を代替することについては、半数近くが『心配』と回答したり、AIが生成する情報の真偽をチェックできないことについて『嫌な気持ちになる』人が7割にのぼったりするなど、人々のAIに対する複雑な気持ちがうかがえる。