抄録
本稿は、イギリスのロイタージャーナリズム研究所が行う国際比較調査『デジタルニュースリポート』の2025年の調査から、日本の動向を紹介するシリーズの第2回として、日本のメディアやソーシャルメディアの利用状況や、ニュース制作における生成AIの利用に関する意識などに焦点をあてる。
人々がニュースを得るために利用する媒体は、「テレビ」が50%、「ソーシャルメディア」は24%などとなっている。テレビを利用する人の減少傾向が続いているが、ソーシャルメディアも前年からほぼ横ばいとなっている。一方、本年から初めて選択肢に加えられた「AIチャットボット」は5%で、若者を中心に利用が始まっている様子がうかがえる。
多くの国では、ソーシャルメディアを駆使するインフルエンサーが世論の形成に影響力を持つようになっている。日本では、X(旧Twitter)やYouTubeなどで注目される情報源は「既存メディア」と「一般人」が上位になっているものの、TikTokでは、「ニュースを中心に発信する有名人」が、「既存メディア」と並んで存在感があることがうかがえた。
ニュース制作におけるAIの利用については、ほとんどAIに任せる場合は、人間が主導する場合に比べて不安感を抱く人が多くなっている。さらに、AIの利用によって起こりうる効果を尋ねると、ニュースがより安く制作できるようになったり、最新の情報が反映されるようになったりすると考える人は多いが、正確性や透明性、信頼性が高まると考える人は少なくなっている。