放送研究と調査
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放送アクセシビリティーの現状と課題
きこえない・きこえにくい人のテレビ視聴体験に関する定性研究
難波 徹
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2026 年 76 巻 8 号 p. 40-68

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抄録
本稿は、テレビ視聴における放送アクセシビリティーの実像を明らかにすることを目的とし、きこえない・きこえにくい視聴者の第一言語(手話、あるいは日本語)の違いに着目して分析するものである。その分析にあたり、首都圏、宮城県、熊本県の3地域に居住する30・50・70代のきこえない・きこえにくい人、計25人を対象にインタビュー調査を実施し、字幕放送および手話放送における情報の理解のされ方や受け取られ方について整理した。

その結果、字幕放送は有効な役割を果たしているものの、字幕の文字を追う負担やそれにともなう疲労感に加え、画面の表示の重なりによって情報が見えづらくなるといった「視聴体験」上の課題が確認された。さらに、映像の内容と字幕との間に生じる時間的なズレや、地域放送の番組における字幕の欠如といった構造的な問題も指摘された。一方、手話放送による情報提供は十分とは言いがたく、特に災害時など即時性が求められる場面において、その課題が顕在化することがうかがえる。

以上を踏まえ、本稿では、字幕放送と手話放送の両面から情報保障の現在地を整理し、さらに、CGアバターなど新たな手段の可能性についても考察する。
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