植物分類,地理
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日本北部の別寒辺牛湿原におけるVaccinium oxycoccus sensu lato(ツツジ科)内の2分類群の局地的な環境勾配に沿った分布
浅田 太郎
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2001 年 51 巻 2 号 p. 169-176

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抄録

Vaccinium oxycoccus sensu lato内の2分類群、V. oxycoccus sensu stricto及びV. microcarpumの分布域は地理的に一部重なっており、そこでは両分類群が同所的に分布している。局地的な環境勾配に沿った両タイプのすみわけが、日本北部、北海道の別寒辺牛湿原において調べられた。花柄に軟毛を生じ、より大型の葉を持つV. oxycoccus s.s.は、他方に比べ地下水深が浅く、地下水のpHが高く、電気伝導度が大きい場所に生育していた。花柄が無毛で、より小型の葉を持つV. microcarpumは、地下水深が深く、pHが低く、電気伝導度が低い場所に生育していた。地下水の化学性に沿った分布幅は、V. oxycoccus s.s.の方が、V. microcarpumよりも広かった。両タイプの分布は、局地的な環境勾配という観点から見ると、生物的同所性というよりむしろ近隣的同所性を示した。

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© 2001 日本植物分類学会
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