分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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金電極を用いる残留塩素センサーの開発
池竹 英人山田 明文
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2000 年 49 巻 12 号 p. 977-980

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抄録

金電極を用いる残留塩素センサーの開発と評価を行った。センサーは,作用極(金線),対極(白金線)及び参照極{飽和カロメル電極(SCE)}からなる3電極系を採用した。残留塩素の電気化学的挙動をサイクリックボルタンメトリーで測定したところ,+0.6V vs.SCE付近から還元波が観測された。定量にはポテンシャルスイープ法を用い,−0.1V vs.SCEの還元電流を測定することによって行った。濃度比例性は残留塩素濃度が0.1~200mgl-1の範囲で得られ,3mgl-1での相対標準偏差(n=10)は2.7%であった。測定電位における電流値はpHの影響を受けなかったが,0.1mgl-1銅イオンの存在によって正の妨害を受けた。作用電極は300回以上の連続測定を行った後も安定していた。本センサーを用いて水道水中の残留塩素の定量を行ったところ,オルトトリジン吸光光度法と良い一致を示した。

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© 2000 The Japan Society for Analytical Chemistry
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