2000 年 49 巻 3 号 p. 161-168
N,N′-ジメチル-N,N′-ジヘキシル-3-オキサペンタンジアミド(DMDHOPDA)又はN,N′-ジメチル-N,N′-ジヘキシル-3-チアペンタンジアミド(DMDHTPDA)と2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を用いてY,Eu及びアクチノイドの協同抽出を行い,抽出錯体の化学形を調べた。試薬濃度が一定の条件下で(すなわちY,Cm,Cfについては0.748mM[DMDHOPDA]及び5mM[Htta],Uについては2.8mM[DMDHOPDA]及び0.5mM[Htta],溶媒はトルエンを使用した)log DとpHのプロットが曲線関係を示した。更にlog Httaとlog D及びlog DMDHOPDAとlog D関係の結果を併せて解析して,M(DA)2(tta)(X)2やM(DA)(tta)2(X)(ここでM:Cm,Cf;DA:DMDHOPDA;X-:ClO4-)など2種以上の抽出錯体を見いだした。更に,DMDHTPDAとHttaの協同抽出において,Eu,Am,Th,及びUをニトロベンゼンに抽出する際にも,複数の錯体が生成することを確認した。