分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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ジアミドと2-テノイルトリフルオロアセトンを用いる協同抽出系におけるイットリウム,ユウロピウム及びアクチノイドの抽出錯体種の同定
佐々木 祐二
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2000 年 49 巻 3 号 p. 161-168

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抄録

N,N′-ジメチル-N,N′-ジヘキシル-3-オキサペンタンジアミド(DMDHOPDA)又はN,N′-ジメチル-N,N′-ジヘキシル-3-チアペンタンジアミド(DMDHTPDA)と2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を用いてY,Eu及びアクチノイドの協同抽出を行い,抽出錯体の化学形を調べた。試薬濃度が一定の条件下で(すなわちY,Cm,Cfについては0.748mM[DMDHOPDA]及び5mM[Htta],Uについては2.8mM[DMDHOPDA]及び0.5mM[Htta],溶媒はトルエンを使用した)log DとpHのプロットが曲線関係を示した。更にlog Httaとlog D及びlog DMDHOPDAとlog D関係の結果を併せて解析して,M(DA)2(tta)(X)2やM(DA)(tta)2(X)(ここでM:Cm,Cf;DA:DMDHOPDA;X-:ClO4-)など2種以上の抽出錯体を見いだした。更に,DMDHTPDAとHttaの協同抽出において,Eu,Am,Th,及びUをニトロベンゼンに抽出する際にも,複数の錯体が生成することを確認した。

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© 2000 The Japan Society for Analytical Chemistry
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