分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
都市大気中亜酸化窒素濃度の連続モニタリング及び地球温暖化ガス濃度との相互関係
松浪 有高秋元 文江児玉 一平鎌田 祐一北川 邦行新井 紀男桶口 卓也伊藤 彰記原口 紘き
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 50 巻 12 号 p. 845-853

詳細
抄録

地球温暖化ガス削減に向けて世界規模での削減努力が行われている。しかし, 地球温暖化ガスの一つである亜酸化窒素は, 二酸化炭素やメタンほどには知られておらず, その発生源, 削減方法についての研究は多くない. 本研究では, 大気中の亜酸化窒素の環境モニタリングを行い, そのデータを基にほかの地球温暖化ガスとの相関を調べることによりその関連性を見いだし, 亜酸化窒素発生源の特定を試みた. 自己相関及び亜酸化窒素との二酸化窒素, メタン, 気象パラメーターとの相互関係を調べた結果, 亜酸化窒素は二酸化炭素, メタンより濃度変化が緩やかで変化の割合が小さいが, いずれのガスについても1日周期が存在することが分かった. 更に亜酸化窒素は, 夏季に大気濃度が上昇すること, また風向きにより濃度が変化することが分かった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2001
前の記事 次の記事
feedback
Top