2001 年 50 巻 12 号 p. 893-898
物質の大量流通において海上輸送は大きな役割を果たしている. 残念なことに事故により海洋へ化学物質, 原油や重油などオイル類の流出が度々起こる. そのため流出状況の巨視的状態把握のために紫外線励起蛍光検出リモートセンシング装置の開発を行った. また, 回収処理後に残留物があり, 含有量の変化や生物への影響などについて未知な部分が多く, そこで蛍光分光法を利用した微視的なスクリーニング検出手法の開発を行った. 両者とも環境計測を目的としているために広域にモニタリングのためのプラットホームが必要である. 本研究ではオイル分析に絞り, 巨視的検出では航空機搭載実験を行った. 日本海上空で浮遊しているオイルの可視画像を取得し, また太陽光励起ではあるが同じ場所の波長選択フィルター像を得た. また微視的分析は蛍光分光法のオイル検出試験より得られた船舶搭載についての結果を報告する.