分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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減圧ヘリウム誘導結合プラズマ質量分析法におけるインターフェース部材質の最適化と微量臭素及びセレンの定量
林 英男田中 智一平出 正孝
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2002 年 51 巻 5 号 p. 299-303

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抄録

減圧ヘリウムICP-MSは, アルゴンに起因したスペクトル干渉を除くことができる. しかし, m/z=79~82に小さなバックグラウンドピークがなお存在し, 微量な臭素及びセレンの定量を妨害した. 本研究では, これらのピークがインターフェース部材質の銅に起因した分子イオンであることを突き止めた. これらのイオンを抑制するため, ニッケル及びアルミニウム製インターフェース部を試作した. その結果, ニッケル製では, 広い質量範囲にわたりバックグラウンドピークが生じたが, アルミニウム製ではほとんど観測されなかった. そのため, 減圧ヘリウムICP-MSのインターフェース部材質としてアルミニウムが最適であるとの結論を得た. 電熱気化法により臭素及びセレンの溶液試料 (10ng ml-1, 5μl) を導入して得られた相対標準偏差 (n=10) は, いずれも約10%であった. また, 臭素及びセレンの検出下限 (3σ) はそれぞれ0.2及び0.09ng ml-1であり, 通常のICP-MS (Br 20ng ml-1, Se 0.25ng ml-1) に比べ高感度な定量が可能になった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2002
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