分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム錯イオンの化学発光を利用したチウラムとその類似物質の検出
新名 伸光児玉谷 仁齊藤 惠逸山崎 重雄
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2003 年 52 巻 9 号 p. 763-767

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抄録

Tris(2,2'-bipyridyl)ruthenium(III) complex ionを発光試薬として用いたHPLCによるtetramethylthiuram disulfide(TMTD)の検出を行った.サンプルを分離カラム(Chromolith Performance RP-18e)に注入し,溶出させ,発光試薬と混合し,化学発光検出器で発光強度を測定した.TMTDの検出限界は0.15 pmol(S/N=3)で,注入量とピーク面積の間に0.6~20 pmolの範囲で直線性が見られた.この化学発光法で用いられている溶媒中の水がバックグラウンドを高めていることを証明した.溶媒系から水分を排除した非水溶液系化学発光法で測定を行ったところ,TMTDの検出感度は3~5倍改善された.また,TMTDに類似した物質であるチオ尿素やチオアセトアミドなどの発光も確認された.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2003
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