分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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福祉支援分析技術を志向した硫黄測定のための溶存酸素酸化化学発光検出/フローインジェクション分析システムの試作
加藤 優美石井 有為藤岡 慎司石井 幹太山田 正昭
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2004 年 53 巻 4 号 p. 275-283

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抄録
福祉支援分析技術開発の一環として,硫黄測定のための溶液化学発光検出/フローインジェクション分析システムを開発した.亜硫酸塩の溶存酸素酸化化学発光反応を用い,増感剤色素ローダミンB及び非イオン性界面活性剤Tween 80による増感効果を活用した.亜硫酸水素ナトリウム試料水溶液の20 μl注入法による本分析システムの検出下限及び定量範囲は,それぞれ2.0×10-6 M及び2.0×10-6~1.5×10-5 Mであった.1.4×10-5 M 亜硫酸水素ナトリウム試料水溶液の20 μl注入法による10回の繰り返し測定の精度は,相対標準偏差で2% であった.分析所用時間は1試料当たり約10秒で迅速であった.本分析システムの選択性は良いが,過マンガン酸カリウムのように,増感剤色素ローダミンBと直接化学発光反応する強酸化性化合物や試料中に酸性化合物が大量に共存する場合には干渉に注意が必要である.本分析システムは最も簡素な一流路から成り,操作が簡便で経済的である.また,溶存酸素酸化化学発光を活用しているため,使用する化学試薬も安全な増感剤2種で,使用量及び使用数において最小限にとどめられているので,安全性や利便性,環境負荷への低減にも配慮されている.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2004
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