分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
水性二相系高速向流クロマトグラフィーによる無機イオンの分離
石井 一行田中 由香秦 恭子後藤 将治齊藤 和憲南澤 宏明渋川 雅美
著者情報
ジャーナル フリー

53 巻 (2004) 9 号 p. 911-917

詳細
PDFをダウンロード (352K) 発行機関連絡先
抄録

本研究では,水性二相系高速向流クロマトグラフィー(HSCCC)による無機化合物の分離を目的として,操作条件と分離性能の関係を検討した.HSCCC装置としてはJ型コイルプラネット向流クロマトグラフ,水性二相系としてはポリエチレングリコール(PEG)-Na2SO4系を用い,無機陰イオン(IO3,I,NO3,SCN)をモデル化合物として,二相系の組成,ドラムの回転速度及び移動相流量と分離度の関係を検討した.その結果,カラムを巻き付けたドラムの回転速度が大きいほど固定相保持百分率が減少したが,それにもかかわらず分離度は大きくなるという現象が観測された.理論段数を測定したところ,分離度の増加はほぼ理論段数の増加で説明できることが明らかになった.これは,回転速度の増加に伴って二相のかくはんが激しくなり,液滴が小さくなることによるものと推測される.一方,移動相流量は分離効率に大きな影響を与えなかった.得られた結果に基づいて最適条件を設定し,Cr(III) とCr(VI) の分離を試みたところ良好な分離結果が得られた.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2004
前の記事 次の記事

オルトメトリクス
閲覧履歴
feedback
Top