分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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高速液体クロマトグラフィーと高速向流クロマトグラフィーにおけるカテキン類の溶出挙動の比較
東海林 敦柳田 顕郎神藤 平三郎渋沢 庸一
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2004 年 53 巻 9 号 p. 953-958

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抄録

11種類のカテキン類について,オクタデシルシリル化シリカ(ODS)モノリスカラムを用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と,t -ブチルメチルエーテル/アセトニトリル/0.1% トリフルオロ酢酸(2 : 2 : 3)の二相溶媒系を用いる高速向流クロマトグラフィー(HSCCC)による逆相分配クロマトグラフィー分離をそれぞれ行った.実験に供したカテキン類の中でも,エピカテキンの三量体であるプロシアニジンC1(PC1)は,オクタノール/水二相溶媒系における分配係数P 及びlog P 値が最も小さな親水性化合物であるにもかかわらず,逆相HPLCのODSカラムに強く保持された.一方,逆相HSCCCにおけるカテキン類の溶出順序は,各化合物のlog P 値によく対応し,log P 値が減少するほどクロマトグラム上の保持時間も短くなった.すなわち,PC1のような最も親水的なオリゴマー成分は,逆相HSCCCのカラムから一番最初に溶出することが確認できた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2004
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