2009 年 58 巻 10 号 p. 895-900
従来,下水処理場の運転管理を適切に行う上で流入水質及び活性汚泥性状の重要な管理指標は,化学的酸素要求量(COD),生物化学的酸素要求量(BOD)等がある.しかし,これらの数値の把握には時間及び経験を要するため,簡便,迅速な方法が望まれている.そこで,本報告では上記の管理指標COD,BODをセンサーを用いた電位計測法で評価し,有効であったので報告する.測定には,白金電極,硫化銀電極,硫化銅電極を用いて,これらのセンサー出力信号を重回帰分析することにより,COD,BODの実測値と高い相関関係が得られた.重相関係数はそれぞれ0.86,0.88であり,測定には150秒を要した.下水処理場の水質に対して,電位計測式集合センサーを用いて簡便,迅速な計測の可能性が示された.