2011 年 60 巻 6 号 p. 459-476
揮発性有機化合物(VOCs)はオゾン形成などに関与し,地球温暖化の原因の一つと考えられ,ベンゼンをはじめいくつかのVOCsは発がん性など有害性があるため,VOCs汚染実態の把握とリスク評価が急がれていた.そこで著者らのグループはまずパッシブサンプリング法による大気中VOCsの長期モニタリング法を開発し,その環境動態や発生源を明らかにした.さらに,VOCsによる人の健康リスクや環境負荷を明らかにするために,ポータブルな小型VOCs連続測定装置を開発し,実験室内や大気環境中のVOCsの濃度の連続モニタリングに適用し,その挙動や発生源を明らかにすることができた.