分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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鉄(III)担持カルボキシメチル化ペンタエチレンヘキサミン型キレート樹脂を用いるヒ素の固相抽出分離
梶原 健寛前馬 恵美子加賀谷 重浩井上 嘉則上茶谷 若梁井 英之齊藤 満遠田 浩司
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2011 年 60 巻 8 号 p. 629-634

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抄録

カルボキシメチル化ペンタエチレンヘキサミン(CM-PEHA)を導入したキレート樹脂を用いてAsを分離濃縮することを目的とし,Fe(III)を担持させたCM-PEHA型樹脂を用い,Asの吸着・溶出に関する基礎検討を行った.Fe(III)担持CM-PEHA型樹脂は,As(V)をpH 4 - 6で最大に吸着した.As(III)はほとんど捕集されなかったが,次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いてAs(III)をAs(V)に酸化することにより吸着可能であった.吸着したAs(V)は水酸化ナトリウム溶液を用いることで容易に溶出でき,ICP発光分光分析にて定量可能であった.これらにより,試料水中のAs(V)量,As(III)とAs(V)との合量をそれぞれ求めることが可能であり,これらの差からAs(III)量を求めることでAs(III)とAs(V)とを分別定量できる可能性が示された.本法は,地下水認証標準物質(ES-H-1)に含まれるAsの定量に適用可能であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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