分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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リンゴ果汁中のパツリン分析への両性イオン性高分子を導入した親水性相互作用型固相抽出剤の適用
小林 泰之上茶谷 若井上 嘉則山本 敦
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2011 年 60 巻 8 号 p. 635-639

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抄録

リンゴ果汁中のカビ毒であるパツリンを分析するための前処理法に,両性イオン性高分子を固定した親水性相互作用型固相抽出剤(DAM吸着剤)を適用した.リンゴ抽出物を1% エタノール-ヘキサン溶液に溶解後,DAM吸着剤50 mgを充填した固相抽出カートリッジに負荷することで,パツリンは定量的に吸着された.吸着されたパツリンはアセトニトリル2 mLによって定量的に溶出された.アセトニトリル溶出液を0.01% 酢酸水溶液1 mLに転溶後,HPLCに供した.パツリンのピーク近傍には定量の妨害となる夾雑ピークは検出されなかった.本前処理法全工程でのパツリンの回収率は77.0~82.1% で,RSDは0.9~2.6% であった.また,パツリンの検出限界は1 μg kg-1であった.本法を市販リンゴ果汁及びリンゴ果実中のパツリン分析に応用したところ,土壌中で腐らせたリンゴ果実中のパツリンが精度よく定量された.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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