分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
カラム捕集に基づく水中フッ化物イオンの簡易な現場カラム分析と固相抽出/吸光光度法
山本 大介清家 泰奥村 稔
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 8 号 p. 647-652

詳細
抄録
水中フッ化物イオンを現場で簡便・迅速にカラム捕集して定量するカラム分析法と,さらに現場で用いたそのカラムからフッ化物イオンを溶離して精度の高い固相抽出・吸光光度定量法とを組み合わせた現場カラム分析と固相抽出/吸光光度法を確立した.カラムは,アリザリンレッドS・ジルコニウム錯体を担持したシリカゲルを充填し,調製した.現場カラム分析法では,カラムに捕集されたフッ化物イオンとアリザリンレッドSとの配位子交換により発現する白色帯の長さ測定からフッ化物イオン濃度を決定した.このカラムに捕集したフッ化物イオンを,溶離液(水酸化ナトリウム水溶液)で溶離した後,吸光光度法により精度よく定量した.本法は,フッ化物イオンを現場カラム分析法により現場で簡便に分析でき,さらにそれに続く固相抽出法により精度の高い分析値を得ることができる.本法は,環境水に適用し良好な結果を得た.
著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
前の記事 次の記事
feedback
Top