分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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新規な同時注入/迅速混合流れ分析法による残留塩素の定量
安藤 詩茉手嶋 紀雄酒井 忠雄本水 昌二
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2012 年 61 巻 2 号 p. 115-121

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抄録

すべての流れ系をコンピュータで制御する同時注入/迅速混合流れ分析法(simultaneous injection effective mixing analysis, SIEMA)を開発した.この基本構成はシリンジポンプとホールディングコイルからなるシーケンシャルインジェクション分析部(SIA),ソレノイドバルブで溶液流れを制御するマルチコミュテーションフロー分析部(multicommutation flow analysis, MCFA),反応促進と検出を行うフローインジェクション分析部(FIA)からなる.3流路SIEMAシステムを残留塩素の定量に適用したところ,公定法のN,N'-ジエチル-p-フェニレンジアミン法と一致した結果を得た.次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0~2.4×10−5 M(Cl2に換算すると0~1.68 mg L−1)の範囲で良好な直線関係がみられ,原点を通る直線の相関係数は0.999であった.0.56 mg L−1の残留塩素を5回繰り返し測定したときの相対標準偏差は0.37% であった.一試料当りの分析速度は41秒であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2012
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