2012 年 61 巻 3 号 p. 185-191
プロテインキナーゼ(PK)は細胞内シグナル伝達の中心的な役割を担っており,がんを含む種々の疾病においてその異常活性化が見られるため,創薬の大きなターゲットである.したがって,細胞内PKの網羅的な解析は,創薬研究及び投薬前診断法として重要であり,キノミクスと呼ばれる.そのための手法としてペプチドマイクロアレイが注目されている.著者らはこれまでにペプチドマイクロアレイの問題点を克服するための手法を提案しており,蛍光法及び表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いて定量的に細胞内PKの活性を評価することに成功した.また,同ペプチドマイクロアレイを用いて標的PKの高反応性の基質スクリーニングに成功した.