分析化学
Print ISSN : 0525-1931
技術論文
トマト加工品類の法科学的異同識別
山口 和隆倉田 正治
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2016 年 65 巻 10 号 p. 581-586

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抄録

本研究ではトマト加工品類の法科学的異同識別についての検討を行った.20点のトマト加工品類の試料について,エネルギー分散型X線分析計及び液体クロマトグラフ質量分析計を用い,各試料の含有元素や色素成分,糖成分の分析をそれぞれ行い,識別を行った.また,一部試料では形態観察やヨウ素デンプン反応を行うことで他の試料と識別が可能なものもあり,これらも識別の指標とした.日本農林規格(JAS)の区分でトマトジュースに該当する試料の中には,本研究での分析では識別が困難な試料もあったが,結果として20点の試料を16グループに分類できた.本研究の分析法はトマト加工品類の異同識別に有効であると考えられる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2016
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