分析化学
Print ISSN : 0525-1931
技術論文
ジフェニルカルバジド吸光光度法によるばいじん溶出試験でのクロム(VI) 分析における妨害除去法の検討
門木 秀幸有田 雅一
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2017 年 66 巻 9 号 p. 693-698

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抄録

ばいじんの溶出試験におけるジフェニルカルバジド(DPCI)吸光光度法によるクロム(VI) の定量に対する妨害の除去について検討した.ばいじん溶出液中のクロム(VI) の定量は共存物質による妨害を受け,分析の前処理としてアルミニウム沈殿処理を行った試料でも,回収率は低い結果となった.しかし,JIS K 0102に規定されているDPCI溶液と硫酸の添加順を逆にすることで,クロム(VI) の回収率は改善した.また,アルミニウム沈殿処理を組み合わせることで,回収率はさらに向上した.12種類の溶出液を用い,5倍に希釈した後に定量した結果,いずれも89% 以上の回収率が得られた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2017
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