1961 年 10 巻 2 号 p. 124-129
濃厚食塩溶液中の微量マンガンを分離濃縮して定量するに際し選択吸着樹脂を用いて実験をこころみた.樹脂は Dowex Chelating Resin A-1 (Na形)を用い,バッチ法でpH6以上のアルカリ性溶液中で交換吸着したのち約1~2N硫酸で溶離し,過ヨウ素酸カリウムで過マンガン酸イオンに酸化し吸光光度法により定量した.この結果は食塩の多量共存下でもマンガンに対して選択的に吸着することがわかり満足な結果をえた.なお本法は原料塩,カセイソーダ(水銀法)中のマンガンの定量にも適用できることを認めた.