分析化学
Print ISSN : 0525-1931
アルミニウム合金中の銅,亜鉛および鉄の定量
矩形波ポーラログラフによる分析方法の研究(第2報)
田島 信雄黒部 森司
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1961 年 10 巻 2 号 p. 146-151

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抄録

アルミニウム合金中の銅,亜鉛,鉄の定量を矩形波ポーラログラフを用いておこなった。今回取り扱った試料中のこれら成分含有率は0.1~数パーセントにおよぶもので,とくに矩形波ポーラログラフによらなくとも定量可能なものであるが,矩形波ポーラログラフによる波形は波高の測定が非常に容易であり,また共存物の妨害を受けないなどの利点があるのでこれを検討してみた.
その結果,銅,亜鉛は試料を塩酸および硝酸で分解後蒸発乾固し,残サを塩酸に溶解して1N塩酸酸性としてそのままポーラログラムを求め,また鉄はメチルイソブチルケトン抽出によって主成分および銅などの妨害物質より分離したのち酸性クエン酸塩を支持電解質として定量した.
このような方法によって1~数%の銅,0.2~1%の亜鉛,0.1~2%の鉄をTable IV および IXに示すような精度で定量することができた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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