分析化学
Print ISSN : 0525-1931
シュウ酸-臭化ナトリウム複合支持電解質中のスズ(IV)のポーラログラフ波について
錯形成剤を用いるボルタメトリーの研究(第1報)
北川 豊吉
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 10 巻 6 号 p. 603-606

詳細
抄録

シュウ酸-臭化ナトリウムを錯形成剤とするとスズ(IV)は半波電位-0.47ボルト(対S.C.E.)付近に良好な一段波を示す.この支持電解質を用いてスズ(IV)を定量するための基礎条件を検討し,次の結果を得た.シュウ酸0.1~0.4M,臭化ナトリウム0.8~1.1M,ゼラチン0.004%,供試液のpHは2.0~2.3が最適である.この還元波は拡散律速であり,スズ(IV)→スズ(0)への還元と考えられる.また拡散電流の温度係数は+2.0%である.以上の条件で10-3~10-4Mのスズ(IV)に対して,濃度と拡散電流との間に良好な比例性が得られた.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top